朝日新聞に掲載して頂きました
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https://www.asahi.com/sp/articles/AST2D4HHDT2DPTJB009M.html
源氏物語全54帖に8年かけ作曲 3月にコンサート 角田さん講話も
林利香
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54帖(じょう)からなる源氏物語を1帖ごとに作曲した「源氏物語54帖の響」のピアノコンサートが3月1日、京都市上京区の金剛能楽堂で開かれる。源氏物語を読んで感動したジャズピアニストが8年かけて作り上げた。当日は、現代語訳を手がけた作家の角田光代さんによる講話もある。
「全54帖に楽曲をつける世界中どこにもない作品」に挑戦したのは、東京のジャズピアニストの遠藤征志さん(46)。
歴史に目を向けた作品を作ろうと、源氏物語を読んだ。「千年前の物語なのに感情や心の揺れは現代人と変わらない」と感動し、登場人物の感情に焦点を当てて1帖ずつ曲を作ることにした。2014年から8年かけ、57曲を完成させた。
1帖「桐壺(きりつぼ)」では、光源氏の母・桐壺更衣(きりつぼのこうい)の苦悩や、源氏が生まれたときの幸せな気持ちを表現した。巻名だけが残り、内容が伝わっていない「雲隠」では、源氏の死をテーマに、母を思う源氏の気持ちと人生の喜怒哀楽を25分間の曲に込めた。
遠藤さんは18年と22年に東京都渋谷区のセルリアンタワー能楽堂で演奏し、昨年は在スペイン日本国大使館で公演した。金剛能楽堂でのコンサートは初めてという。
公演は昼と夜の2回で、計20曲を披露する。宝生流能楽師の辰巳満次郎さんによる能舞や、角田さんによる源氏物語の登場人物についての講話もある。
遠藤さんは「源氏物語をより深く知ってもらい、千年前と現代の人々の感情のつながりを味わっていただきたい」と話す。
開演は午後1時と6時。全席指定。S席1万2千円、A席1万円。問い合わせはミュージックエージェンシーリベラ(050・3452・5584)、またはメール(libera@akazai.jp)。